経清館


皆さん、我が経清館へようこそ。
坂道がきつかっただろう。
お疲れであった。
この館はわしが宮城県亘理から江刺に越してきた時に作ったものだ。
今ではすっかり貫禄が出てきたの。
屋根は、夏涼しく冬暖かいと言われる茅葺きにしておる。
本当であれば中に囲炉裏があっていぶしていたから、虫がつきにくい、いい材料だったんだぞ。
そして正面の部屋が寝殿といってわしと妻と子供達の生活の場だ。左側に立っているのがわしで、この服の上に鎧を着て戦場に赴く所だ。
右に立っている妻のゆうが心配そうな顔をしておるわい。
戦はいつもの事、館の周りは土塁と木柵を巡らし、入り口には櫓門を設けてある、安心いたせ。
しかし、今回の戦は長くなりそうだ。朝廷軍はこの東北陸奥国の金と馬が目当てなのじゃ。
妻の父である安倍一族の長、安倍頼時殿の為にもこの陸奥国を守り抜かねば。
わしに万が一の事があったら妻と幼い息子清衡の事はよろしく頼む。そうじゃ、その清衡だが、成長してからわしより立派な館を構えたと聞いておる。
自慢の息子だ。
左の道を上がった所にあるそうだから、どうか見てってくれ。
道中、気をつけてな。